September 26, 2017 Categories:

私と女優と人生とVol.6

映画よりもドラマな生をいき抜く存在の樹木希林

 

「なぜか気になること」を密かにずっと溜めておくと、あるとき点と点が繋がって、気になっていた理由がわかって、有難い気分になることがある。

この瞬間こそが、「オリジナルな人生」への途中なのかしらと思う。

 

気になること、とは女優・樹木希林さん。

 

ハレ舞台での着物の着こなし、実に筋の通った痛快なコメント、有名な夫婦事情。役柄以上に「人生そのもの」が、オリジナルに満ちている。

 

誰もが、自分らしい人生を生きたいと思っているし、できれば「自分の命はツカイキリタイ」と、感じているのではないだろうか。

 

しかし、実のところの問題は、「それはいったい、どんな生き方なのか」ということ。

 

自分から「命を使い切りたい」なんて言葉を口にしないタイプの人だってみんな、思いっきり生きてみたい、と思っているはず。

 

だが、その方法を探すには、覚悟や勇気が必要で、失敗や痛みを伴うことでもある。つい、安全な方法を探そうとしてしまう。だから、「自分らしい生き方をしてみませんか」みたいな甘い言葉には流されずに、ただひたすら「自分とは」を問いかけてみたいと私は思っていて、できるだけたくさんの人と“ふたりきりの時間”を持つことにしている。そう、ふたりきりをたくさん。そこに、誰にも似ていない自分の感情、を見つけることができる、と。

 

映画鑑賞とは、疑似「ふたりだけの時間」といえるのではないだろうか。主人公とふたりきり。監督や脚本家や背景と二人きり。二人きりだから、テーマに集中できるし、泣いたり笑ったりも、おもいっきりできる。誰の眼も気にせずに、気にしたいことに意識を集中できる時間。現代社会において、こんな贅沢な時間はない。

 

邦画から遠ざかっていた私が、邦画ハマり中。点は「樹木希林」。あえて老け役という女優道から、今ではご自身でなければならない「役」での主演。独自のセンスで選び抜いた着こなしなんて、ほんのひとコマ。生き方と愛し方と仕事、存在そのものが「樹木希林」。自分らしさの極限。長い時が経たないとわからないことが、ある。

Written by  Ikuko Suzuki