October 25, 2019

インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史

先日、広島市現代美術館で開かれている
『インポッシブル アーキテクチャー もうひとつの建築史』展に
行ってきました。

この展覧会に行くというよりも、
現代美術館に行く、という目的で、
当初は行ったのですが、
ものすごくいい展覧会だったので、
ご紹介します。

HPを見て
“実際には実現しなかった建築案”
の設計図や模型などが展示されているであろうことは、
想像できたのですが、
HP内のタイトル“インポッシブル”
の上に修正線のように
一本の線が引かれていること、
これがどうにも意味が分からず。

ポスターが私の好きな緑だ、
というくらいで、出かけたのです。

ところが、美術館のバナーを見て、
その修正線が美しいみどり!
そこで、
“実現しなかったけれど、不可能ではない!”
というイメージが伝わってきて、
チケットを買う前から
猛烈に興味がわいてきました。

入口すぐの
『第3インターナショナル記念塔』(ウラジーミル・タリトン)
これがもう、
エッフェル塔好きな私の常識が、
ひっくり返るくらいの衝撃でした。

当時(1920年)風のムービーも
不穏な音とともに
大々的に流れていたので、
「実際にできたの???」と
単純な私は、頭がこんがらがり。

ずっと見ていて、
ようやく理解。
そう、そのムービーは、
実現したとしらこうだった、
という長倉威彦氏の作品(1998年)
だったのです。

そんな風に40もの作品群が
並んでおり、
とても1日では観きれない、
壮大なロマンの集結でした。

若い日本の建築家が、
外国のコンペなら、と
挑むプレゼンテーションの凄さや、

コンペの趣旨からして、
これでは通らないだろうけれども、
事務所をあげて模型を作り、
プレゼンに厚みを持たせるために工夫し、
今でも保管をしているパワー。

100歳に近い現役ボスは、
あくまでもアナログで書いて
切りばりだったり。

岡本太郎の東京都計画
「いこい島」ドローイング、
伊勢湾台風を経験したばかりの
黒川紀章が、4メートルあげて集落を作り、
その下を農地にした
「農村都市計画」模型、

昔のアイディアを
今のCGでムービーにしたり。

会田誠の案を
自分では描ききれないと
山口晃にたのんだり、
すでに本人が描いていたから
しょうがなく「自分で描いた」
(それがまたユニーク!)り。

20世紀初頭のものから
現代(東京2020幻の国立競技場模型)まで、
国内外、時空を超えて
アイディアを表現したい!とする
元気の集まった素晴らしい展示
でした。

広島市現代美術館では12月8日まで、
次は大阪へ巡回するそうです。
11月3日は無料開放との告知もありました。

11月3日は東京にいて残念ですが、
もう一度行きたい展覧会です。

あらためて、
「衣服でならもっともっと
チャレンジすべし」
と思ったのでした。

Text :  IkukoSuzuki

Illustration :  935