「鎌高座談会」 Vol. 6

vol.6「 “自分の人生を生きたい ” 自分で服を自由に着たい、と思ったからファッションデザイナーになった」

 

 

自分で決めて自分でやること、ーこれしかない。

 

K   4月から高校3年生だから進路に不安になったり。

 

鈴木  これはねファッション雑誌の誰か編集長が言ってたんだけど、幸せになる方法はたった1つ。自分で決めて自分でやること。決めるのも自分だし、やるのも自分しかないっていう。ある映画の中に出てきて、そのとおりだなって思うんだけど、それを言葉だけで言われても、ね、そんなの前から聞いたことあるよ。と思うかもしれないけれど、でもそれを本当に思う時っていうのは、自分で決めて自分でやるかなって。これまでのことを否定することはないし、本当は素直な素直な自分で決めること。ってやったらいいと思う。

 

失敗は何回まで?

 

鈴木  失敗って何回までやっていいかって話がある。何回だと思う?

 

K   10回くらい。

 

I   20回。

 

S   3回。

 

鈴木  3回?もう3回やって駄目なら諦めろ?(笑)私はね小学生の授業でやる時に質問があって、ぼろっと言ったんだけど2000回。2000回。2000回は私失敗してもいいと思う。10回とか100回とか、何か2000って、ある単位のような気がして、何かが成熟するには2000回くらいは必要なような気がする。そうなった時に初めて失敗は成功のもと、と言えるのは2001回目かもしれないなあって思うから。でも周りが心配してさあ。売れないミュージシャンとかさあ、売れない映画監督とかさあ、デザイナーとかさあ、そろそろ普通のことやったら?私も何回も言われたけれども、それでも本当にやりたいんだったら、やればいい。

 

K   既に2000回くらい失敗してる。

 

鈴木  してる?そうかあ。じゃあその時にも自分で考えるのね。いやあ今日2000って言ってたから、やっぱりじゃあ辞めようと思うのか、いや3000回までやってみようと思うのか、自分で決める。

 

 

これが好きだ、と思ったらその理由まで考えた方がいい

 

鈴木  そっか、進路だよね。

 

S   なんか、こういうのやりたいとあっても今後とか考えたりすると、親とか。

 

鈴木  でもねこれはね、明らかに今日本だけじゃなくて世界が変わってると本当に思う。私が生きた中で、一番変わってくる時だと思う。今これが常識と思っていることも、今すぐには流れとかは、わからないかもしれないけれど、常識が変わっていって、それがすぐに主流になると思う。確かに。
 
だから洋服でいうと、たくさん作ってたくさん売ってる方がまあ儲かるっていうか成功になるってことでマーケティングとかを教えてたのね、ファッションデザイナーになる学生たちのために教えてたんだけど、それはもう違うと思ってるから。どこにもないものをその人のためにちゃんと作る。誰か買うかもわからないものをとにかく安く作っていっぱい作って捨ててるっていうのは全く環境によくないし、と本当に正直に思っているので、10年前にモード学園で教えてた私が教えてたことが間違いだったこともあって、そう思うと今、先生が言ってたことももしかしたら違うかもと思いながら、それはもう日々変わってるのね。
 
今ね、自分の判断で、だけど反抗するのではなくて自分で選ぶために。だからやはり健康であることかな。それは大事なこと。自分がとっても純粋で健康な、自分にとって素直な判断ができるのはやっぱり環境だから。具合が悪かったら辛いと思いますもんね。なにが反対しても行こうと思えるような精神は健康じゃないといけないから、健康な体を作るっていうのも自分の責任。

 

K   そういう数字とか将来を考えると、自分がこれが好きって言うか、自分が好きなものと結びつけたほうがいいんですか。   

 

鈴木  直接好きなものじゃないかもしれないね。それが好きな理由まで考えたほうがいいです。表面的な好きなものはもしかしたら違う判断につながることがある。なんか友だちの手前とかで好きって思いたい自分がいたりするから、もうちょっと深くして、なんでこれが好きなんだろう、というところまで自分で考えてみる。その理由がわかったら、それを昔のまま続けてやってみたらどうかな。でもね、よく言われるんだけど、モード学園で授業をやっていたときに「先生試験に出ることだけ言ってくれ」とか「もうちょっと単純にわかりやすく順番に言ってくれ」とか言うんだけど、極力そう言ってあげたいんだけど、その意味を、今日のこの会の意味とか、その質問の意味とか、私の答えたことの意味とかを決めるのは自分たちなの。私も意味があるようにと思って時間を使ってるけど、それはもしかして自分のためかもしれない。
 
私が多分ファッションデザイナーになりたいと思ったのは、ファッションデザイナ―になりたかったんじゃなくて、自分の人生を生きたかったから、自分で服を自由に着たいと思ったからと思うから今こうなってる。ということが今だからわかるんだけど、それは誰にも教えてもらったことないし。
 
うん。出会いだね。人。やっぱり圧倒的に自分の物差しを変えてくれる人と会う。それは素晴らしいことだよね。自分で一所懸命努力してるようなことなんかすごくちっぽけで、うわあすごいって思って、もう寝ても覚めてもこの人!という人にもし出会ったら、多分やるんだろうね。もう変わってるよね。自分が。
そういう出会いが私はあったから。人に出会えるのが。向こうからは来ないから自分から。だからといっていつもがつがつという訳でもないんだよね。突然あるかもしれない。
 
あと進路で親にじゃあ自分の意見をぶつけようと思って初めて自分が言える意見は何なんだと思ったら、それ程ないかもしれないけど。あ、そんな大した人間でもなかったなと思ったら、自分でちゃんと考えてみようと思ってもいい。
 
なんで思ったんだ、なんでこれなんだ、その奥を考えればいいし、そういうことのタイミング、そういうことの時間ってあまりちゃんと目の前のことやってるとないんだよね。わりとね。だから時間をちゃんと持つと。でもねそれは全部辞めて籠って持つとかそんなことしなくていいから。普通の生活をしながら、自分の素直なことって何だとか、そういうこと気がついた時にはこのノートに書こうみたいなノートにこっそりそれに書く。そうするとね、そのノート見るだけで素直な自分がいて。秘密ノートみたいな。いい子ちゃんぶらない自分のノート。裸になったときのノートを。自分のために。書いてる自分が好き、じゃなくて、本当にふっと思ったりするの。今日こういうことしゃべったとか、すぐ思ったこととかを、ふと思ったときにこういうことかなと思ったら、そこにちょっと気にいったノート、わりとちっちゃいノート、これを持つと素直になれる、そういうの思いついた時って急に来るから、ちょっと書く。そうするとあるとき、ふっとそれを見ると、あーそうだったそうだった。そうだよな。そうだよね。じゃあ今日はこう思ったことはこれに合ってるかな。と思ったり。だから私がオスカルだったらどうしようと思ってたようにそのオスカルに聞いてる訳だけど、自分としてね。自分がこの人みたいな。

 
 
 
▽「鎌高座談会」記事一覧はこちら▽
「鎌高座談会」 Vol.1
「鎌高座談会」 Vol.2
「鎌高座談会」 Vol.3
「鎌高座談会」 Vol.4
「鎌高座談会」 Vol.5
「鎌高座談会」 Vol.6
「鎌高座談会」 Vol.7
「鎌高座談会」 Vol.8