先日、広島県立美術館で開催中の「ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」へ行ってまいりました。
ナビゲーターはもちろん郁子さん!
メディアで度々“憧れの象徴”として取り上げられるパリジェンヌ。
「おしゃれ」「ミステリアス」「自分のスタイルを持っている」こんなイメージがすっかり定着し、フランスを代表する文化の一つになっています。
パリジェンヌは、どのように生まれ確立されたのか。
本展覧会では、ボストン美術館所蔵の作品約120点を通して、18世紀から20世紀のパリの女性たちの姿に迫ります。
第1章 パリという舞台―邸宅と劇場にみる18世紀のエレガンス
文化の中心は、ヴェルサイユからパリへと。
女主人が客人をもてなす“サロン文化”が生まれ、女主人たちの華やかな装いが注目のまとに。
第2章 日々の生活―家庭と仕事、女性の役割
社会進出する女性がいる一方で、「女性は結婚して子供を産み育て家庭を守る」こんな価値観がまだ根強い時代。市民の日常が描かれた風刺作品が多く、様々な女性像が描かれました。

ルイ=レオポルド・ボワイ― 《アイロンをかける若い女性》1800年頃

第3章 「パリジェンヌ」の確立―憧れのスタイル
ナポレオンⅢ世の統治、パリの大改造により近代化が進みます。
消費が拡大し、トレンドファッションに身を包む女性が急増。
パリジェンヌに関する書籍も出版され、パリジェンヌが憧れの存在として確立されます。その人気は海を越えアメリカまで。
帽子を片手に佇む少女。編み込みのお下げ髪は、当時のパリのトレンドヘア。
ウィリアム・モリス・ハント 《マルグリット》1870年
パリジェンヌと思いきや、彼女はボストン社交界の華、チャールズ・E. インチズ夫人。
ジョン・シンガー・サージェント 《チャールズ・E. インチズ夫人(ルイーズ・ポメロイ)》1887年
第4章 芸術をとりまく環境―制作者、モデル、ミューズ
19世紀後半、芸術をとりまく環境は激変します。
芸術家として活躍する女性が増え、彼女たちは制作者、モデル、ミューズとへと。
修復後初公開となったマネの《街の歌い手》。
エドゥアール・マネ 《街の歌い手》 1862年頃
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《アルジェリアの娘》1881年
ベルト・モリゾ 《器の中の白い花》1885年
第5章 モダン・シーン―舞台、街角、スタジオ
パリではミュージックホールやキャバレーが開店し、夜の街が様々なエンターテインメントで賑わいを見せました。こいった場で歌手や踊り子として活躍する女性も。女性の社会進出が本格的に進んだ時代です。
シャルル・ナイヨ 《ダンスする女性 シリーズ〈ムーラン・ルージュの舞踏会〉より》1905年
良妻賢母が良しとされていた時代を経て、社会進出を果たしたパリの女性たち。
絵画やドレスを通じて、パリジェンヌの歴史を垣間見ることができました。
自ら権利を勝ち取り、そして世代を越えて受け継がれてきた文化や精神、揺るぎのないプライドこそが、彼女達の真の魅力ではないでしょうか。
展示会オリジナルグッズ